令和5年10月15~16日アートホテル 盛岡
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会が主催する、第22回東洋療法推進大会in岩手に参加いたしました。
全国から約200名の先生方が参加されていました。
ご来賓に岩手知事、盛岡市長、自民党の財務大臣、日本医師会会長など多数の方が来られました。大会会場とビデオメッセージでご挨拶をしていただきました。
プログラムは15日は「フェムテックの展望」「療養費改定とマイナカード確認症等」「イートハーブの郷から広めよう!伝えよう!あはきの魅力」
16日は「広告ガイドラインと無免許問題」と盛り沢山で、非常に有意義なシンポジウムでした。
「フェムテックの展望」
フェムテックという言葉を聞いたことがない方も多いのではないかと思いますので、簡単に説明します。
Femtech(フェムテック)とは?
・Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語です。
・ 「生理・月経」「妊活・妊よう性」「妊娠期・産後」「プレ更年期・更年期」など女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決するための
製品・サービスを指し、2025年には世界で5兆円規模の市場になると言われています。
・デンマークの女性起業家Clueのイダ・ティン(CEO)開発の月経周期予測アプリの投資募集に使い始められた
・日本では2021年6月18日閣議決定「骨太方針2021」に「フェムテック推進」に明記
femtechの展望
・市場2025年世界予測5兆5000億円
・日本の月経随伴症の労働力損失4911億円
・社会経済負担試算6828億円
・女性の健康は女性ホルモンの分泌と関係するが、古来月経がタブー視された時代があり、女性特有の健康問題は相談しにくい
・女性自身が身体の正確な知識を持っているとは言えない。
・女性が正しい知識を持って健康課題を解決する環境整備が必要
femtechと鍼灸、マッサージ
・現在鍼灸、マッサージは、Femtech振興議員連盟の議員の先生方の間では、あまり話題になっていないようである。
・鍼灸、マッサージはfemtechに多大な貢献を出来ると考えられる
・今回のシンポジウムで女性特有の健康問題に悩む数人のインタビュー動画が紹介された
・その中で鍼灸に否定的な方達は、鍼灸を受けたことがなかった。イメージで痛そう、効かなそうと思っていた。
・鍼灸を受けた方は、鍼灸の効果を実感されていた。
・femetechに鍼灸、マッサージを浸透させるには、鍼灸のイメージアップが必要
・体に鍼を刺している画像を宣伝に使うと、かえって鍼を怖がる人達がいる事実を知った
・今後は鍼灸の広告宣伝、営業形態を含めた抜本的な改革が必要
「療養費改定」
社会保障審議会(医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会)
①往療料の距離加算の廃止
②離島や中山間地等の地域に係る加算の創設
③往療の見直し及び訪問施術料(仮)の創設
・急に痛くなって訪問する場合(往療料)と、定期的、計画的に行う(訪問料)の取扱いを明確にする。
④料金包括化の推進
⑤同一日、同一建物への施術
「マイナカード確認症等」
・「オンライン資格確認」
マイナンバーカードによる本人確認の上、保険者にオンライン資格確認等システム(実施機関として社会保険診療報酬支払基金・国民健康保険中央会が運営)を通じて資格情報の照会を行い、資格情報の提供を受ける方法
・ 診療を行わない柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の施術所等を対象に、資格情報のみを取得できる簡素な仕組みを構築する
・令和6年秋の保険証の廃止に当たっては、受領委任払いを行っている施術所において、引き続き、患者の資格
情報を確認することができるオンライン資格確認の仕組みを導入する必要がある。
・保険局長通知を改正して、令和6年4月以降、資格確認の方法に「オンライン資格確認」を位置付けることと
ともに、令和6年秋以降、導入を義務化してはどうか。
・ オンライン資格確認(資格確認限定型:簡素な資格確認の仕組み)に必要な機器(PC等に接続す
る汎用カードリーダー、タブレット・スマホ等のモバイル端末の機器)の導入を支援する。
※ タブレット・スマホ等のモバイル端末では、汎用カードリーダーがなくても、マイナンバーカードの読み取りが可能
・基準とする事業額 4.1万円を上限に、実費補助
2日目
「広告ガイドラインと無免許問題」
・「施術所の名称等について」
※【○○「業態名+治療院」】「○○鍼灸治療院」等 OK
※「施術所の名称『整骨院』について」
経過措置はあるものの、不可の方向
※無資格者に対する、広告のガイドラインについて
・無資格者に対する取り締まりは必要
・しかし、無資格者の広告についてガイドラインに書き込むということは、
注意しないと、無資格施術を容認しているような変な読まれ方をする可能
性があるととの意見もあり、慎重に対応する必要性がある。
上記のような内容を記した具体的なガイドライン(案)の作成が早期に望まれるが
厚生労働省の景山医事専門官からは、具体的なガイドラインの作成時期は明言されなかった。
会場前にて太田会長と
関西医療大学フェムテック寄附講座 特任教授 菅 万希子先生
公益社団法人 日本医師会会長 松本吉郎先生
自由民主党 参議院議員 内閣府特命担当大臣 自見はなこ先生
懇親会(さんさ踊り)
懇親会にて藤鍼会員の広瀬先生(左)
報告者:東江英行